実は大事!脂質の働きと種類【柏 パーソナルジム ダイエット】
2022/05/03
今回は脂質についてお話ししていきます。
「脂肪になってしまう」「病気になってしまう」とか、脂質は敵だと思っている方は多いと思いますが、3大栄養素ですから脂質も大事な働きがあり、体にはなくてはいけない栄養素の一つです。
摂取の仕方さえ気をつければ体調が良くなったり、ダイエットにもなります。
少しでも脂質について知っていただき、食事の参考にしていただけたらと思います。
脂質の4つの大きな働き
1)細胞膜などの体内の構成成分に重要な材料になる
細胞の表面を覆う膜のことを細胞膜と言います。この細胞膜は必要なものは取り入れたり、不必要なものは入れないようにする役割を持ちます。
細胞膜を構成する重要な物質はコレステロールやリン脂質で、これらは脂肪が材料になって作られます。
2)ホルモンの材料になる
様々な代謝に関わる副腎皮質ホルモン、男性ホルモンや女性ホルモンなどはコレステロールから作られています。
脂質の摂取量が少なくなってしまうと男性ホルモンや女性ホルモンが作られず、分泌量も減ってしまいます。
男性ホルモンが減ってしまうと性機能の低下や筋肉の衰え、メタボリックシンドロームや脂肪の増加。
女性ホルモンが減ってしまうと無月経や生理不順などになりやすい。
3)効率の良いエネルギー源
脂質は1gあたり9kcalのエネルギーがあり、糖質やタンパク質の約2倍のエネルギーを持つので少ない量でもエネルギー確保ができます。
消費できずに余った分は中性脂肪は体脂肪として蓄えられ、貯蔵エネルギーになります。
この体脂肪は体温の維持や内臓を衝撃から守る緩衝剤としての役割もあります。
4)脂溶性ビタミンの吸収を助ける
脂溶性ビタミン(ビタミンA,D,E,Kなど)は脂に溶ける性質があります。脂質はこの脂溶性ビタミンの吸収を助ける働きがあります。
逆に、脂質が少ないと脂溶性ビタミンの吸収が悪くなってしまいます。
脂質の種類
体内にある脂質は4つです。「中性脂肪」「リン脂質」「コレステロール」「脂肪酸」があり、それぞれに役割があります。
『中性脂肪』
食品中に多く含まれるのが中性脂肪です。中性脂肪とは血液中に存在する脂質の1つで、主にエネルギー源として使われます。
健康診断で脂質異常症(高脂血症)と言われた事がある方は、血液中に中性脂肪が多く存在してしまってる状態です。
『リン脂質』
リン脂質は細胞膜を作る主成分で、水と油の両方をなじませる性質(両親媒性)を持ちます。
代表的なものとして大豆や卵黄などに含まれているレシチンがあります。
『コレステロール』
コレステロールは細胞膜やホルモン、胆汁酸(消化液である胆汁に含まれる成分)の材料になります。食品から摂取したり、肝臓で糖質や脂肪酸から作られ血液から全身の細胞に運ばれていきます。
コレステロールには「HDLコレステロール」と「LDLコレステロール」があります。
「HDLコレステロール」は全身からコレステロールを肝臓に戻す働きがあり、『善玉コレステロール』と呼ばれています。
「LDLコレステロール」は全身に運ぶ働きがあります。コレステロールは体にとって大事な役割を果たしますが、逆に多すぎても良くありません。血液中を循環したままになってしまうので脂質異常症や動脈硬化の原因になってしまいます。
このLDLコレステロールは『悪玉コレステロール』と呼ばれています。
動脈硬化とは、血管内でコレステロールが張り付いてしまい狭まってしまう事です。
『脂肪酸』
脂肪酸には動物性脂肪に多く含まれる「飽和脂肪酸」と、植物性や魚に多く含まれている「不飽和脂肪酸」に分けられます。
「飽和脂肪酸」は主にエネルギー源として使われますが、中性脂肪の材料にもなってしまいます。また、取りすぎてしまうとLDL(悪玉)コレステロールが増えてしまい動脈硬化のリスクも高くなってしまうので摂取量には気を付けましょう!
「不飽和脂肪酸」もエネルギー源として使われますがダイエットに良いとされ、様々な働きがあります。
不飽和脂肪酸の種類と働き
脂肪酸のうち分子構造上、炭素間に二重結合を含むものを不飽和脂肪酸といいます。
二重結合を一つだけ含む『一価不飽和脂肪酸』、二つ以上含む『多価不飽和脂肪酸』とに分けられます。
後で出てきますが、『多価不飽和脂肪酸』のn-6系とn-3系は体内で合成できなかったり、十分量を合成できないため「必須脂肪酸」と呼ばれ、食べ物から摂る必要があります。
『オレイン酸』
一価不飽和脂肪酸に分類され、n-9系の『オレイン酸』はオリーブオイルやアーモンドに多く含まれています。
その働きは、LDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪の増加を抑える働きがあります。また、酸化しにくい性質も持ちます。
『リノール酸』
多価不飽和脂肪酸に分類され、n-6系の『リノール酸』は大豆油・コーン油、ひまわり油・ごま油などに多く含まれています。
その働きは、血中のコレステロールを減らす働きがありますが、大量に摂ってしまうとHDL(善玉)コレステロールも減らしてしまう可能性があります。
『アラキドン酸』
多価不飽和脂肪酸に分類され、n-6系の『アラキドン酸』は植物性にはあまり含まれてなく、卵やレバーに多く含まれています。
その働きは、様々なホルモン物質の材料になります。LDL(悪玉)コレステロールを産生してしまうため過度の摂取には気を付けましょう。トレーニングの効果を高めるとも言われてます。
『α-リノレン酸』
多価不飽和脂肪酸に分類され、n-3系の『α-リノレン酸』はえごま油や亜麻仁油やくるみに多く含まれます。
その働きは、心臓血管系疾患の予防や改善効果があるとされています。一部はEPAやDHAに変換されます。
『EPA(エイコサペンタエン酸)』『DHA(ドコサヘキサエン酸)』
多価不飽和脂肪酸に分類され、n-3系の『EPA』と『DHA』は青魚系に多く含まれていて、特にサバやマグロに多く含まれています。
この二つの脂肪酸は量は多少違いますが、青魚系にまとめて含まれているため十分量摂取できます。
働きは、血中の中性脂肪を減らし血管系の病気の予防をする働きがあると言われています。その他、脳や神経系の機能向上させる作用があると言われています。
『EPA』はタンパク質の分解を防ぎ、タンパク質合成を高める作用も期待できます。ダイエットだけでなく常に摂っておきたい栄養素ですね!
脂質の摂取量は?
脂質は多すぎてもダメだけど取らないといけない栄養素です。
脂質全体では、1日の摂取カロリーの20〜25%です。
その中でも、、
飽和脂肪酸:1日7%以下
n-6系脂肪酸:1日約10g
n-3系脂肪酸:1日約2g
と厚生労働省で定められているため、是非ご参考にしてみてください!
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